蔵日誌
冬の蔵しごと
2021.01.15
こんにちは
毎日寒い日が続きますね(*_*)
会社から見える霧島の山々も中腹あたりまで白く雪化粧しています。
見る分にはきれいですが、やはり寒いです。。。
さて、夏の間は連日焼酎の仕込み作業が行われ賑やかだった蔵の中は、
冬になると一転、静けさに包まれます。
焼酎を寝かせるだけで、何にも作業をしていないのかというと、そうではありません。
冬には冬ならではの作業があり、その一つが「油すくい」です。
焼酎に油???と思われる方も多いと思いますが、実は焼酎には原料由来の油が含まれており、
そのままにしていると雑味や嫌な香りの原因となってしまう場合があるため、適度に取り除く
ことが重要なのです。
機械的にフィルターを通してろ過する場合もありますが、伝統的な方法として、
冬の寒い時期にタンクの上面に固まって浮いた油をすくう、という方法があります。
冬に鍋などの煮込み料理をしたとき、翌朝、肉の脂肪分が白く固まって浮いているのを
見たことがありませんか?ざっくり言えば、あれをすくって取り除くイメージです。
光に反射して白っぽく見えているのが油で、ひしゃくですくうと右のようになります。
けっこうガッツリ「油」なんですね。。。
すくったものは布で濾して、油だけを取り除きます。
一見単純な作業に見えますが、適度な油分を残しつつすくうというのは難しいそうで、
まさに蔵人の経験と勘がものをいう「手しごと」です。
静かな蔵の中でも、いろいろなところでおいしい焼酎に仕上げるための
作業が行われています(^.^)